家族と一年誌「家族」×石田真澄 『東川町取材日記』第三回

2月21日からCOMINGSOONにて開催予定の
北海道 東川町 ×『家族』「よりそう移住、東川町」に併せて
『家族』が石田真澄と東川町を旅した記録を随時更新。全6回を予定しています。


家族と一年誌「家族」×石田真澄
『東川町取材日記』

文章「家族」編集長 中村暁野 / 写真 石田真澄

 

旅のメンバーは「家族」編集部こと中村ファミリー(父・俵太、母・暁野、娘・花種、息子・樹根)、写真家の石田真澄ちゃん、COMINGSOONスタッフ飯ヶ谷さん。さらに現地で東川町定住促進課・課長の吉原さんや、親切なお店の方々に手を差し伸べてもらって過ごした2泊3日の記録です。

 

3日目

朝、紅茶を淹れて前日のイベントで購入したスコーンと一緒に朝ごはんを食べ、宿を出発。急遽Lessの浜辺さんに東川町のおすすめ場所を案内していただけることになったので、張り切って向かいます。

温暖で雪が少ない今年の冬。東川町も例外ではないようですが、取材3日目はぐっと気温が下がり、冷え込んだ朝の町といったら。きらきらきらきら。もうとにかくきらきら!

町の景色に、ひたすら感動する我々。

車で山をぐんぐんと登って、旭岳源水へ。この雪解け水が長い時間をかけて地下水となり、その地下水は東川町の生活水として使われ、みんなの暮らしを支えている。その源水をくみに、おそらく遠方からもたくさんの人が訪れているところに混じって、贅沢にも両手に汲んでぐびぐび一飲み。冷たい水がク〜〜〜っと身体に染み込み、心洗われるよう。

源泉の湧き出るそばにできた氷は宝石のようでございます。

氷×光という魅惑の被写体に吸い寄せられ、ツルツルゾーンを果敢に突き進む真澄ちゃん。「気をつけて〜」「転ばないようにね〜」と言っていたそばからスッテーン。「大丈夫〜?!」と言ってるそばから再びスッテーーーン。二回目は後頭部を強打して(音が聞こえた…!)それでもカメラを死守するカメラマン魂。

何気ない一瞬一瞬がほんとうに美しい。

車を止めて、目的もなくただ歩く。走る。

東川町は1985年に「写真の町宣言」という宣言文を出している町としても有名です。「町民が参加し、後世に残し得る町づくり」として、「自然」や「文化」そして「人と人の出会い」を大切に、「写真写りの良い町づくり」を進める、という一風変わった宣言。実際に訪れて、東川町の考える「写真写りの良い町」がどういうものなのか、感じられたような気がします。雄大な自然の中に立ち並ぶのは、自然の恵みである水やその水で育む地の食材を大切にしている、たくさんの個人店。大手チェーン店やコンビニはほとんど見当たらず、だからどこを見ても「東川町」にしかない風景があるのです。そんな町をつくるのって、実はなかなか難しいことだと思う。ここは、豊かな町だな。

さて、町に戻り、フレンチビストロvraieへ。実は東京でも何人かの友人に「東川のvraieはめちゃくちゃ美味しい!」と聞いていて、とても気になっていたのですが、取材中営業日と重ならず、諦めていた…ところを浜辺さんの一声で(店内デザインなど浜辺さんが手がけたそう!)突如おじゃまできることになったという…。ミラクル。(感謝!)

フレンチだけど肩肘張らず訪れられるような店内で、オーナーシェフの村上さんの作る四季を感じられる料理と、料理にぴったりのナチュラルワイン。食べることを通して、日々の中のほんのちょっとした喜びを提案しているようなお店。そんなvraieさんに、なんと今回のCOMINGSOONのイベントで、パテとワインを提供していただけることに…!!まさかまさかの展開に興奮!!

あっという間にお昼。なんか麺類食べたくない?ラーメン食べたくない?ということで「蝦夷」へ向かいます。聞くところによると有名な旭川ラーメンと同じくらい、ラーメン通の間では人気のあるらしい東川ラーメン。東川ラーメン=「蝦夷」です。ひたすら落ち着く店内にて、蝦夷ラーメンは味噌、醤油、塩と選べまして、みんな思い思いに味噌やら醤油やら注文。

スープと麺の上に肉やキクラゲや野菜などがたっっぷり乗っている、想像の遥か上をいくボリューム。とてもおいしい。しかし、いくら食べても底が見えない。うっかり米粉の焼き餃子(絶品でした)も頼んでしまったけど、食べきれないほどの量。腹べこで来るべきお店、「蝦夷」です。

満ち満ちたお腹でニンニクの香りを身にまといつつ…町の真ん中!とも言えそうな場所にあるliko to goへ向かいます。こちらは前日のイベントを主催されていたliko organic caféを営む桐原ご夫妻がオープンした2店目のお店で、天然たいやきが大人気。桐原さんは東日本大震災を機に、それまで住んでいた東京を離れ、自分たちが求める暮らし、生活したいと思う場所を探してキャンピングカーで旅をしていたというご家族なのです。東川町に出会い、ここに住むことを決め、今ではお店2店にイベント企画など、パワフルに活動されているご夫婦と、かわいい3人の娘さん。

桐原さんご家族の物語は、別記事にてじっくり書かせてもらおうと思っています。

大人気「天然たいやき」をいただく!ところで天然って何…?かというと、一匹ずつ丁寧に焼く一丁焼きという焼き上げ方をしているたい焼きのことをそう呼ぶそう。

お父さんが手間暇かけて焼いたたい焼きを胸はって渡してくれる娘ちゃんが可愛かったなあ…。アツアツ天然たい焼き、サイコー!

たい焼きをほう張りつつ、(食べてばっかり)本日はもう一つ、家族の物語を聞かせてもらうことになっているのです。プロスノーボーダーであり、旭岳を案内する山岳ガイドを行うNaturesを主宰する中川伸也さん一家。昨年ソフトクリーム専門店NATURES SOFT SAVEも夫婦で立ち上げ、やんちゃな2人の息子さんとすてきなお家で暮らされています。

中川さん一家には今回の展示で配布する東川町の冊子の表紙出演もお願いしており、ピンポーンはじめまして…と、会って早々「…すみません。巨大風船家族で持ってもらえますか?」とお願い。マイナス20度の中で風船遊び…。

快く応えてくれた中川家のみなさんのおかげでいい写真撮れました!真澄ちゃんもありがとう!出来上がりは、ぜひ会場にて冊子をみてくださいね!

中川さんのお話を聞いて、ぼんわり感じていた「東川町らしさ」みたいなものが、よりくっきりと浮かび上がったような気がしました。わたしの中で。そんなお話ものっていますので、ぜひ会場にて冊子をみてくださいね!(2回目)

 

気づけばすっかり日も暮れて。まだまだ取材は終わらない。ラストスパート、まだまだ食べますぞ〜!

向かったのは、中国茶とお粥と点心 奥泉さん。東川のお水とお米に魅せられ札幌で大人気だったお店を閉じ、移住・移転された、ご夫婦で営まれているお店です。

(実はまだ取材時開店直前で、店内改装中だったのに、快く招きいれてくださり…)中国茶と肉まんを出してくださいました。淹れ方にも蒸し方にもこだわりと情熱が詰まった、特別なお茶と点心。なによりここでしか食べられないお粥。営業は朝8時から。モーニングにお粥!それは…最高なんじゃないでしょうか。次に東川町に来たら、ぜったいモーニング奥泉したい…!

 

飛行機の時間が頭をちらつき始めつつ、最後に向かうは、中川さん一家とも家族ぐるみで仲良しという居酒屋りしり。居酒屋といってもお座敷席には子ども椅子もあって、おかみさんのニコニコ飾らない接客が気持ちいい、家族でいける居酒屋さんです。新鮮な魚介類のおさしみ、東川のお豆腐やさんの厚揚げ、やっこ、無性に食べたくなるよねのポテサラまで。時間ないのに悔いなく食べて、なんとお店で浜辺さん、中川さん、桐原さんにも会えてご挨拶。(すごくないですか?)

こうしてお世話になったみなさんに、約束もなしに最後に会えるというのもまた、東川町らしさなのかも…。

 

いそげ〜いそげ〜!なんて慌てなくても15分で空港着。あっという間の2泊3日。でもでも1日1日が濃密すぎて、1週間くらいここにいた気もする2泊3日。

お別れはいつも寂しいね。涙涙の別れの時よ。

この旅で感じた東川町の魅力をCOMINGSOONで、形にしたいと思います。真澄ちゃんが撮った美しい美しい東川町の写真たち。そして東川町の美味しいものたち。なんと取材記に出てきたあの人やこの人も大集合。その上、会場では気軽なのから本気のまで、移住相談にものってもらえるらしいです。(我々『家族』編集部も行きますよ!)

たくさんの人東川町に出会ってもらいたい町、東川町。みなさま、ぜひお越しくださいね〜。

 

第一回目はこちらから☞『東川町取材日記』第一回

第二回目はこちらから☞『東川町取材日記』第二回

中村暁野 / なかむら・あきの

編集者、エッセイスト。一年をかけてひとつの家族を取材する、家族と一年誌「家族」編集長。家族にまつわるエッセイやコラムの執筆も手がける。夫と9歳女子、2歳男子、たれ耳うさぎのバターと一緒に、2017年から、山梨と神奈川の県境にある藤野へ移住。古い一軒家を少しずつ自分たちで改装しながら暮らしている。


石田真澄 / Ishida Masumi

1998年生まれ。
2017年5月自身初の個展「GINGER ALE」を開催。2018年2月、初作品集「light years -光年-」をTISSUE PAPERSより刊行。2019年8月、2冊目の作品集「everything with flow」を同社より刊行。雑誌や広告などで活動。